誰が3Dデータを作るのか

3Dデータの作成を誰がやるのかという部分の話である。
2D−CADを導入している企業の場合、CAD操作経験者ということでかなりの確率で製品設計者がアサインされる事になるであろう。
しかしながら従来の展開方法である出図を待ってでの次工程展開といったエンジニアリング・フローで動いていると、製品設計者は製品の検討をし図面作図をしその上で3Dデータを作るといった業務を抱えることになる。
単純に3Dデータの作成といった作業時間の増加を招くことになってしまうのである。
この時あくまでエンジニアリング・フローが図面優先で動いている場合、出図を待ってでの次工程の活動開始となるはずである。
そして製品設計者は出図後に3Dデータを完成させる作業に掛かるであろう。
となると図面から形状を読取りで作業を進めている次工程と、製品設計者の作成している3Dデータと平行して動いている為に最悪形状がアンマッチをしてしまう可能性がある。
(無論、図面ベースでのエンジニアリング・フローであった場合、常にその可能性はつきまとう訳であり、その為に木型承認といったイベントが存在するのであるが・・・・)
ただ設計者が製品の設計業務の延長線上で3Dデータを作成しているのであるから所望の形状になりアンマッチとはならないであろうし、消極的な事柄ではあるが次工程(試作・生順段階で行われている)での工数削除に繋がる事にはなるであろう。
この時に「CADモデラー」というエンジニアを置くことを提案したいのである。
製品設計者がイメージした形状を3Dで作り上げていく事の出来るスタッフであり、選択したCADシステムの操作などのスキル+製造技術ノウハウを持っている事が望ましく次工程エンジニアが適任なのではないだろうか。
いずれにしても全社的な体制を計画した上での3D−CAD導入が出来ないと局所への作業集中を起こし効率化どころか経費拡大の方向になってしまう事になる。

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